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株式会社ディジタルメディアシステム

内製化によるeCTD正本申請 - エーザイ株式会社様

新たなるeCTD正本申請がエーザイ株式会社様にて成し遂げられましたことをここに発表致します。
2008年にLORENZ Life Sciences Group の製品である「docuBridge®.jp」をご採用いただき、これまでの紙中心だったプロセスの見直しから始まり、「docuBridge®.jp」を活用した電子申請へのプロセス移行を実現されました。

エーザイ株式会社 臨床研究センター 開発薬事部の担当課長/薬学博士でいらっしゃる比留間 良一様(写真右から2番目)に今回のeCTD正本申請までの経緯をお聞きしたいと思います。

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Q1:
まずは、eCTD正本申請おめでとうございます!!
今年(2009年)4月から厚生労働省よりeCTDによる正本申請の場合、紙媒体の提出不要という通知が出されました。我々としても待ちに待った通知だったのですが、今回貴社における正本申請のプロセス上になにか影響はありましたか?

以前より、eCTDによる正本申請を目標に準備しておりましたので、弊社における申請準備プロセスには大きな変更はありませんでしたが、「eCTDによる正本申請の場合、紙媒体の提出不要」になったことは、大きなインパクトとしてeCTDによる正本申請を行う決断をする上での大きなモチベーションになりました。

Q2:
エーザイ株式会社様は、既にeCTDを副本としての申請経験がございましたが、今回は内製化を目指し「docuBridge®.jp」をご採用いただきました。
実際にお使いいただいた感想等をお聞かせいただけますか?
また、今回は目標とされていました「内製化」として、アウトソーシングを一切ご利用されなかったとお聞きしましたが、その点についてもご感想をいただけますか?

「docuBridge®.jp」は簡単なトレーニングで、誰でも操作マニュアルを見なくても操作が可能でした。また、eCTD編纂で最も時間のかかるプロセスの一つであるハイパーテキスト・リンク作成も予想していた以上に簡単に対応できました。

弊社は、グローバル企業であること、年に数品以上の申請を継続的に行うことが可能であること、及び以下の3点からeCTD作成の内製化を志向してきました。eCTD作成の内製化を達成する上で、「docuBridge®.jp」は重要な要素の一つでした。

- eCTD作成プロセスをコアコンピタンスと考える(ノウハウの蓄積と改善)
- プロセスのシームレス化による効率化(申請準備期間の最短化)
- ER/ESへの効率的な適合(電子化への最適化)

弊社では、ドキュメンタム(文書管理システム)と「docuBridge®.jp」を電子的にシームレスに接続し、申請資料のコンテンツの管理とeCTDの重要な構成要素であるリーフファイル(PDF)管理とを同期させることに成功しました。これにより、申請資料のコンテンツ(原稿)がFIXした段階で、即座にeCTDが作成可能になりました。私の知る限り、日本では初の試みであると思っています。今後、この考え方が日本でも主流になっていくのではないかと考えています。また、リーフファイル(PDF)のSubmission Ready化(申請準備化)についても、内製化で行いました。これにより、アウトソース先とのやり取りのロスがなくなり、時間短縮につながりました。

このように『一気通貫』で、あるいは『ノンストップeCTD ビルディング』と言ってもいいと思いますが、eCTDをシームレスで内製化することが、品質の高いeCTDを最も効率的に作成できるものと再認識できました。弊社がグローバル企業であり、年に数品以上の申請を継続的に行うことが可能であることから、このような内製化投資ができました。数年に1度しか申請しないような会社に取ってそれがベストな方法であるかはわかりません。いずれにしても、申請準備の費用を単なるコストとして考えるか、投資として考えるか、あるいは、費用対効果の観点より、個々の会社の事情で考えることではないかと思います。

Q3:
7月に改正されました「七夕通知」への対応はスムーズに行なえましたか?

平成21年7月7日付 薬食審査発0707第3号 では、CTD第1部1.13項その他 に添付する資料が追加、変更になりました。そのため、eCTDのM1.13のXMLインスタンスの構造が大きく変更になりました。
「docuBridge®.jp」では、即座に通知対応をいただき、電子的言語(XMLスキーマ)を理解しなくても、用意された入力画面に各情報を入力することで対応ができました。

Q4:
比留間様は、個人的に雑誌等への執筆やセミナー等の発表されておりますが、実際にeCTD正本申請を実現される前と後で何か変化はありましたか?

今回、申請資料(原稿)の執筆に関わったメディカルライターやテーマ担当者の方からは、「紙CTDのときと何も変わらなかった」と聞いたときに、本当にうれしく思いました。一方、レギュラトリー・オペレーションの我々メンバーは、eCTDのメリットを大きく享受することができました。紙CTDのときにの印刷物の落丁・乱丁、印刷ミスのチェック、組み上げたCTDファイルの点検という膨大な時間を要する業務から開放されました。印刷コストの軽減、申請資料作成期間の短縮、効率的な作成など、改めてeCTDのメリットを再認識することができました。

未だeCTDは紙CTDよりも時間もお金もかかりメリットも少ないと言われる方や会社が多いように伺っていますが、eCTDに対するネガティブなイメージは、経験がないことによる目に見えないものへの不安などに起因している部分があるのかも知れません。

Q5:
eCTD普及への啓発活動も行なっていらっしゃいますが、これからeCTD正本申請を目指す方々へのアドバイスをいただけますか?

「docuBridge®.jp」を利用するとeCTDそのものは、1時間から数時間でできてしまいます。重要なのは、規制要件に適合したリーフファイル(PDF)をいかに早く、効率的に準備できるかにかかっていると言っても過言ではありません。そのためには、MS-wordのテンプレートの導入を行い、執筆者が原稿を執筆する際に、規制要件に適合したPDFができるように、フォントや、見出し(bookmarkになる)設定や文書内ハイパーリンク(ハイパーテキスト・リンク)を設定するなどのプロセスを構築することが重要になります。弊社では、MS-wordから作成するリーフファイル(第1部[m1.2、m1.3、m1.13を除く]、第2部、第3部)については、Submission ready化のプロセスが不要です。

一方、eCTDによる正本申請に踏み切るには社内的な合意が必要です。どこの会社にも保守的な方や、紙信望者がいらっしゃいます。そのためには、社内に電子化の推進役(旗振り役)をつくり、経営トップを含め社内関係者へ申請資料の電子化のメリットについて、丁寧な説明をしていくことが重要と考えます。ドキュメント管理者の努力と熱意がきっと社内の雰囲気を変えると信じています。

Q6:
eCTDに関する展望をお聞かせください。

今や、自動車はガソリン車からハイブリッド、電気自動車へと技術革新が進んでいます。しかし、いくら自動車を改良しても月に行けません。審査の効率化、申請資料の国際共同利用、保管・管理コストの削減など、申請資料が電子化されて始めて実現できることが多数あります。国際共同試験にEDCが欠かせないものである通り、3極同時申請にはeCTDは欠かせないものです。紙CTDからeCTDへの変化は、自動車からロケットへの変化に等しいものです。

1982年に音楽用CDが発売されてから、レコードの販売量を上回るのにたった4年しか要していません。良いものは、法律で義務化しなくても普及するものです。eCTDは申請資料作成、承認審査において優れたデバイスであることは間違いありません。eCTDによる正本申請受付開始から4年半が経過しておりますが、2009年はこれまでの4年間の申請数(11品目)と同数をわずか半年強で達成しようとしています。国内売上高トップ30社の中、70%以上の会社がeCTD対応済みであり、20%以上の会社がeCTDによる正本申請を行っています。本年が大きな潮目の変換点になったと思われます。紙媒体の提出が不要になった今年から4年後にどうなっているかは明白ですね。

eCTDを作成する上でのIT環境は目覚しく進歩し、安価に入手可能になってきています。申請ごとに印刷や組み上げのためにかける数千万円の費用はその場限りの使い捨てで、社内にノウハウも蓄積されませんし、技術革新にもつながりません。IT投資は、申請業務の効率化や品質向上に結びつく投資であると信じています。

eCTD作成の未経験の会社の皆様には、まずは、「習うより慣れろ」だと思います。eCTDの参考提出で経験値を高めてはいかがでしょうか。 eCTDの参考提出されている会社の皆様には、思い切ってeCTDによる正本申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

貴重なご意見・ご感想をいただきありがとうございました。
いよいよeCTDの普及が加速し始め、申請される方々の努力によって遠い未来ではなくなった電子化が新たな進化を続けることと期待しております。我々もLORENZ社と協力し、日本のユーザー様のお役に立てるように進化し続けたいと切に思います。

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