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株式会社ディジタルメディアシステム

正本申請その後の経過 - 中外製薬株式会社様

日本初eCTD正本申請の実績をお持ちである、中外製薬株式会社・開発薬事部・SMG 竹内マネージャー様に、「その後の経過について」インタービューさせていただきました。

Q1:
現在のeCTD申請の数(ライフサイクルを含めた)をお聞かせください。

2008年末の段階で正本申請10件、sample提供6件です。
ライフサイクルとしてsample提供をあわせて15回提出しています。

業界全体でみると、eCTD研究会の調査(加盟21社)では、eCTDの総提出数101件、正本11件、ライフサイクル51件とかなり定着してきたように感じます。

Q2:
eCTD研究会を発足され、活動されているとお聞きしました。詳細をお聞かせいただけますか。

eCTD研究会は、2006年の秋に立ち上げ、eCTDの提出経験のある会社を参加資格として会員企業間でeCTDに関連する情報交換を行い、諸問題への解決策検討・情報共有を行うことを目的として、活動してきました。

年に2度ほど会合を開き、eCTD提出に際して、生じた問題点並びに承認までの当局対応におけるやりとり・コメントなどの情報提供と解決策の検討、eCTD作成のための ベストプラクティスの共有(システム、プロセス、アウトソーシングなど)、関連する情報の収集と提供(講演、ベンダー 含む外部講師など)などを話題に、毎回50名程度の参加者による勉強会といった感じです。

また、会員間のメーリングによる情報提供や問題提起・質問回答なども活発に行われ、有意義な情報交換が随時行われているのも特徴のひとつです。

Q3:
御社における申請において、eCTDへ全面移行を計画されていますか。

当社では、2004年夏に2社統合後(2002年秋に中外製薬と日本ロシュが統合)の新しい文書管理システムWISDOMが稼動し、2005年末に初のeCTD正本申請を行ってきましたが、昨年2008年の3月に原則、承認申請はeCTD正本にて 資料提出する旨社内決定しました(CMC一変などの一部の申請は除く)。

またこの間、申請審査対応のプロセスについてもプロジェクトEと銘打って 「質」「効率」「戦略性」の向上目指した改革を行ってきました。

プロセス改革により役割と責任が一層明確になったことは、eCTD全面移行への追い風になりました。

Q4:
今後のeCTDの普及についてご意見をお聞かせください。

社内では、eCTDに対応した資料作成体制やアーカイブとしての利用・電子媒体の利用推進体制が定着してきました。膨大な紙資料からの別れにより、日ごろの業務推進にも徐々に変化がみられてきています。

ただ、承認までの審査過程においては、審査当局もまだ印刷物中心の体制であり、それに同調して各社ともこの期間は紙対応をせざるをえません。

しかし、資料作成過程は、基本的に申請時とかわりませんから、印刷物の原本は電子媒体=PDFという鉄則を周知徹底し対応することで、将来すべて電子対応が可能となる体制を維持推進していくことが重要と考えます。

Q5:
これからeCTD申請を検討されている方々へのアドバイスをお願いします。

まず、紙から電子への考え方の切り替えが重要です。つまり、申請資料の原稿は、PDFで作成するということが基本となります。資料を印刷物で提供するにしても、文字化けや保存性(wordのバージョンが異なるとページングなどが異なってしまう)の面から原稿はPDFにしておくということを徹底する必要があります。 いつでもどこでもPDFから印刷すれば、同じものが出力作成できるということです。

次段階としてPDFをeCTDの要件に合致するよう作っていく。これには、wordで原稿を執筆する際に、スタイルを統一し、wordの機能を利用して、見出し(bookmarkになる)やハイパーリンク(ハイパーテキストリンク)を設定するなどの執筆者教育を徹底することが重要です。これらを行うことでeCTD要件合致のPDFが楽に作成できるようになります。このPDFのeCTD準拠の質によって、最終的にeCTD を組上げる際の作業量が大きく変わってきます。

eCTD準拠のPDFさえできてしまえば、eCTD作成は、印刷物同様、アウトソーシングを利用して作成することができます。計画性をもって作業を実施していれば、費用的にも期間的にも印刷物で資料を組上げるよりも短時間で安価にできることが多いようです。また、申請頻度が高いようであれば、eCTD作成ツールの導入が効率的であり、管理も適切に行えます。ツールは、比較的に簡便に操作ができ、ライフサイクルの作成も簡便にできるようになります。

貴重なお時間をいただきありがとうございました。
「eCTDは難しい!」という先入観をお持ちの方がいらっしゃる中で、竹内様のチームがその壁を越え、これからeCTD申請をお考えの方々への励ましとなることを期待致しております。

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