医薬品を製造販売するためには、販売品目毎に、厚生労働大臣の承認(医薬品製造販売承認)を受ける必要があります。承認申請には品質、安全性、有効性に関する資料を提出することが義務付けられており、その承認審査は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)に製造販売承認申請書と添付資料CTD(Common Technical Document)を提出する必要があります。
2004年、ICH(医薬品規制調和国際会議)の専門家作業部会(EWG: Expert Working Group)によって開発されたeCTD(electronic Common Technical Document:電子化コモン・テクニカル・ドキュメント)による「参考提出」の受付開始から、2005年に日本初のeCTDによる正本提出が受理され、2009年以降は「参考提出」から「正本提出」が増加しました。2020年4月:申請電子データ(CDISC等)提出対象品目の承認申請添付資料については、原則eCTD提出が義務化となることから、2019年には参考提出が「0」となり、eCTDによる「正本提出」の動きが活発化しました。
並行して開発が進められていた次期メジャーバージョンであるeCTDv4.0は、2015年にICHでStep4合意に到達したガイドラインを基に、2017年日本国内向け実装ガイドが通知として発出され、2021年にPMDAによってパイロットテスト実施後、2022年4月より受付が開始されることとなりました。
このような背景から、株式会社ディジタルメディアシステムは、製薬会社様の医薬品の新規承認申請及び承認事項一部変更承認申請(一変申請)のeCTD編纂業務をご支援するために各種eCTDアウトソーシングサービスをご提供しております。
プレミアムeCTD編纂サービスでは、日本および諸外国のeCTD申請の仕様に適応したLORENZ docuBridge®と、2010年のサービス開始から今日にわたり製薬企業様の数多くのeCTD申請をサポートしてきた豊富な経験をもとに、お客様のeCTD申請を製造販売承認取得まで支援いたします。
LORENZ docuBridge® webAccessを使用し、ファイルの入稿からeCTDのレビューまで全てオンライン上で行います。入稿状況やeCTD編纂作業の進捗状況がいつでも確認できますので、アウトソーシングでよくある「見えない不安」や、ベンダーとの進捗確認のやり取りによるタイムロスが解消します。
申請に使用するファイルを一括で提供いただく必要はありません。文書が確定したファイルから先に五月雨式に入稿いただければ、提供箇所のeCTD構成編纂や外部リンクの作成を開始いたしますので、執筆スケジュールに合わせて作業を進めることが可能です。
また、文書の確定後にファイルの差し替えが発生した場合も、LORENZ docuBridge®内に外部リンク情報が保持されていますので、リンクの再作成による作業時間が軽減されます。ファイルの差し替えにも柔軟に対応いたしますので、申請文書執筆時の品質向上にも繋がります。
LORENZ docuBridge® webAccessのレビュー機能により、納品前にeCTD構造と外部リンクを確認することができます。外部リンクのレビュー時にはLORENZ docuBridge®の注釈機能を活用し、お客様からの指摘事項をシステム上で記録・管理いたします。
作成したeCTDは、弊社指定のダウンロードサイトから提供いたしますので、オンライン上でどこからでもダウンロード可能です。ダウンロードに際しては、事前に配布するIDとパスワードを使用して、ログインいただきます。
弊社のアウトソーシングサービスは、2005年にeCTD申請が開始されてから、全て一貫してシステム(LORENZ docuBridge®)を使用し、管理・運用を行っております。以下にプレミアムeCTD編纂サービスの主な作業の流れをご紹介します。作業の流れにつきましては、一般的なアウトソーシングユーザー様向けとなりますので、ユーザー様のご希望に応じて異なる場合がございます。サービス内容の詳細については、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
「プレミアムeCTD編纂サービス オン クラウド」とは、「プレミアムeCTD編纂サービス」の申請文書の管理に、フランス ENNOV社製品であるウェブ・ベースのEDMS(Electronic Document Management System:電子文書管理システム)「Ennov Doc」を使用するサービスです。申請文書の作成プロセスからSubmission Ready化までをEnnov Docで管理いたします。
Ennov Docにはweb経由でアクセスいただきますので、いつでもどこからでも申請文書を入稿できます。文書はシステム上でバージョン(リビジョン)管理されるため、煩雑になりがちなファイルの版管理も解消されます。
入稿文書の表示エリア(ナビゲータービュー)には、ステータス別に分類されたeCTD Module 1~Module 5のヒエラルキーが事前に設定されており、申請文書の進捗状況が一目で分かるようになっています。
Ennov Docに入稿した文書(Word)に対して「確定」の操作を行うと、Ennov Docに搭載されたPDFレンダリングモジュールがeCTD通知に適合したPDFに自動的に変換します。ドラフトバージョンでの変換機能もありますので、「確定」前でもPDFの仕上がりを確認できます。
文書のライフサイクル(作成、承認/確定、配布、改訂、保管、削除)に応じて事前設定されたワークフローに従い、全てシステム上で管理されます。ワークフロー進行時には、通知メールが対象者に自動配信されますので、個々に作成していた連絡メールを省略できます。
プレミアムeCTD編纂サービス オン クラウドでは、入稿文書の管理に Ennov Docを使用します。Ennov Docでは、EDMSとして申請文書データの登録やバージョン(更新)管理などの各機能が利用いただけます。また、申請文書用のテンプレート(オプション)の登録や共同執筆作業が可能ですので、外部執筆者へ依頼する際にご活用いただけます。執筆環境の共有も、文書へのアクセス制限やグループ設定により安全に行えます。
以下にプレミアムeCTD編纂サービス オン クラウドの主な作業の流れをご紹介します。作業の流れにつきましては、一般的なアウトソーシングユーザー様向けとなりますので、ユーザー様のご希望に応じて異なる場合がございます。サービス内容の詳細については弊社お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
2022年4月からeCTD v4の受付が開始され、2026年4月からはeCTD v4での提出が義務化される予定です。2022年4月から2026年3月までの措置期間中は、従来のeCTD v3.2.2での提出も受け付け可能とされております。
プレミアムeCTD編纂サービスで使用するLORENZ docuBridge®は、eCTD v4の様々な規制要件に対応しており、PMDAにて実施された「eCTD v4.0 パイロットテスト」においても導入中の製薬企業様のご参加を弊社がサポートし、eCTD v4の作成に問題がないことを確認しております。
コンパクトeCTD編纂サービスは、一部変更承認申請等の小中規模eCTD向けeCTD編纂サービスです。
2020年4月よりeCTD申請が義務化され、小中規模の申請(一変申請)においてもeCTD提出が審査当局(PMDA)から求められます。
しかし、現実的には申請の大小に関わらずeCTDの作成はハードルが高くさまざまな電子化要件を求められます。弊社ではこれらのユーザー様に向け、価格を抑えたシンプルなアウトソーシングサービス(コンパクトeCTD編纂サービス)としてシステムをパッケージ化し、リーズナブルに提供しています。
コンパクトeCTD編纂サービスで使用されるLORENZ docuBridge®は、「プレミアムeCTD編纂サービス」にて使用されるアプリケーションと基本構成は同等です。そのため、日本国内のeCTD規制要件にフル対応しています。
ただし、小中規模のeCTD申請のボリュームに応じて、利用者の同時アクセス数やライフサイクルの回数制限(最長3回)等がご利用要件に合わせた構成となります。
オンラインレビューにおいては、各種ウェブブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome等)により、CTD構成や外部リンクの設定状況などをリアルタイムに確認いただけます。レビュー時には注釈機能を使用してコメントを残すことができ、オンライン上でのコミュニケーションが簡便に実行できます。注釈の検索も容易なため、対象箇所の確認がすぐに行えます。
コンパクトeCTD編纂サービスに使用されるアプリケーションソフトのライセンスを、小中規模用に合わせた機能および同時アクセス数に制限することで、eCTDの品質を維持した上でリーズナブルな提供を可能にしています。詳細なご利用価格や条件等についてはお問い合せください。
コンパクトeCTD編纂サービスを契約いただく場合、下記の「ご契約までのフロー」をご参考にしてください。また、「お問い合わせ」ボタンから、弊社へのお問い合せが可能です。
注)申請区分が1-(1):新有効成分含有医薬品に代表されるフル申請の場合、コンパクトeCTD編纂サービスへお申し込みいただくことができません。「プレミアムeCTD編纂サービス」または「プレミアムeCTD編纂サービス オン クラウド」をご検討ください。
まずは弊社までお問い合わせください。お問い合わせいただきましたら、秘密保持契約書、弊社既定の「概算工数表」を提供いたしますので、お打ち合わせ(web会議)の前にご提示ください。提示いただきました内容を基にお打ち合わせを実施いたします。
お打ち合わせ後、お客様の要件に合わせたコンパクトeCTD編纂サービスのお見積書を提示いたします。
お見積書につきましては、Submission Ready化作業(PDF変換)および印刷の費用は含まれておりません。別途作業が必要な場合は、お打ち合わせの際、弊社担当までお申し付けください。
お見積書を承認いただきました後、業務委託契約書を締結いたします。
使用します契約書につきましては、貴社指定のフォーマット等があれば事前にご提供ください。
ご契約締結後、システム環境構築(作業期間:約1か月)を実施し、プロジェクト計画書(コンパクトeCTD編纂サービス仕様)を作成いたします。プロジェクト計画書を承認いただきました後、 サービスを開始いたします。
申請文書の提供における制限はありますか?
PDFファイル(Submission Ready化済み)、Excelファイルでのご入稿をお願いしております。
申請文書はどのように提供すればいいですか?
お客様のクラウドサイトなどでご提供ください。クラウドサイトがない場合はアップロード用サイトをご用意することも可能です(要相談)。
PDFファイルのSubmission Ready化作業やWordファイルのPDF化、申請資料の印刷などの作業を依頼することは可能でしょうか?
可能です。お打ち合わせ後、お見積もりをご提示いたします。営業担当者にご相談ください。
申請文書は、eCTD納品日のどれくらい前に提供すればいいでしょうか?
確定したファイルから五月雨式での入稿を推奨しております。最終ファイルの入稿締め切りについてはプロジェクト毎に異なるため、担当者までお問い合わせください。
オンラインレビューについて、トレーニングなどの提供はありますか?
e-Learningをご用意しております。
複数担当者によるeCTDのレビューを予定しています。レビューユーザー数の制限はありますか?
レビューユーザーの登録数に関する制限はございません。ただし、同時にレビューいただけるのは2ユーザーまでとなります。
ライフサイクルが予定されています。契約範囲内で対応可能でしょうか?
コンパクトeCTD編纂サービスでは、ライフサイクル最長3回まで契約範囲内で保証いたします。
eCTDの納品はメディアでしょうか?
データでの納品となります。メディアでの納品を希望される場合は、別途、営業担当者までご相談ください。